ヒョウからブドウを守れるか

ヒョウからブドウを守ることは違法か
こんな議論が今ブルゴーニュで大論争を巻き起こしている

つい先日都内でもヒョウがニュースになっていたがフランスでもヒョウが話題だ
ヒョウとは雹のこと
気温が上がり始めると積乱雲とともに生成されて、重みに耐えられなくなると地上に降ってくるあれだ

小さいあられ程度ならまだしも、5mmを超える石みたいなものが時速100キロのスピートで落ちてくるのだ
もしブドウの木に落ちてきたら、葉や実に大きなダメージを与えることになる
そうなる前にブドウの木にネットを張って守ろうとするのはごく普通のことだと思われる

だが、問題はあった

フランスの AOCの規定に全く書かれていないのである
そのためブドウ農家もネットを張っていいものか、またフランス当局INAOも取り締まってよいものか悩んでいるのだ
書かれていないので認められるとも言えるし、書かれていないので認められないとも言える

そんな中、一部のブドウ農家はすでにネットを張り始めている
誰もが何ヶ月もかけて育てたブドウが一回のヒョウで全て無駄に帰すことが分かっていて、なんの対策も取らずにはいられないだろう
実際ニューワールドではヒョウに対するネットはあって当たり前だ
ブドウをつくってワインにして売るのが彼らの商売だ
守るのは当たり前である

ではフランスはなぜ守れない可能性があるのか

それは彼らは代々受け継いだその土地のワインを作り、守ることが信条だからである
そう、「テロワール」だ
ネットを設置する事によって太陽の当たり方や風の通り方が変わってしまうのである
ネットによって本来のその畑の味わいと変わることは絶対に避けたいのだ

現在のところ、ネットの有無によって味が変わるか判っていない
まだまだ議論は続きそうである

 

 

参考文献

wine-searcher

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