ティオペペ アップルを蹴散らす

マドリッドでアップル社とシェリーのティオペペで有名なゴンザレス・ビアス社が激しく火花を散らしています
 
3年間の戦いに勝利したのはティオペペでした
現在スペイン人はiphoneに勝利したと歓喜に沸いています
 
まず初めにティオペペとはスペイン語でぺぺ叔父さんという意味で、高品質なドライシェリーです
この酒蔵を創業したゴンザレスの叔父は利き酒の名手で、数あるワインの中から優れた樽を厳選していました。そこで、ゴンザレスは叔父が興味を示しそうな樽にあらかじめティオペペと記しておきました
そして、その厳選されたドライシェリーはそのままティオペペという銘柄で世界75カ国で年間1000万本以上販売されるようになったのです
 
どれだけスペイン人に愛されているかというと、
売上げはもちろん辛口シェリーで1位
スペインでのブランド認知度80%
スペインで最初に商標登録された(1888年4月4日)
世界でもっとも予約が取れないレストラン エル・ブリで使用
 
 
 
その人気ブランドに戦いが勃発したのは2011年でした
マドリッドの中心地であるプエルタ・デル・ソル広場にあるビルの屋上にTIO PEPE(ティオペペ)と書かれた大きな看板があり、夜になるとネオンで輝く有名なランドマークでした。
そこに勢いに乗ってたアップル社が新規に出店し林檎のマークに替えてしまったのです
 

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50年以上そのビルの屋上にあった看板を守ろうとスペイン人が立ち上がりました
約3万人が嘆願書に署名をし、論争はマドリッド市政をも動かします
 
そして遂にティオペペはマドリッド市長の
「看板は何十年も広場にあり不可欠だ、復活は市にも良い結果をもたらす」
という声明と共に3年ぶりにプエルタ・デル・ソル広場に戻ってきたのです
 
 
参考文献
wine-searcher
KIRIN.co.jp

 

 

 

 

 

 

1杯のワインが腎臓疾患を防ぐ

朗報!!

ワインは腎臓に優しい
ただし、少量にかぎる
 
 
コロラド大学の研究員が1日にグラス1杯に満たない量のワインを飲む人は、全くワインを飲まない人と比べて慢性の腎臓疾患になる確率が37%低いことを発見しました
 
また、腎臓疾患を持つ患者が少量のワインを飲む場合には29%も心臓疾患を引き起こす確率が下がりました
 
腎臓はwikipediaに拠ると
 
“泌尿器系の器官の一つ。非常に重要な臓器の一つで、血液からの老廃物や余分な水分の濾過及び排出(尿)、体液の恒常性の維持を主な役割をする。”
 
そうです
 
赤ワインはポリフェノールが動脈硬化の予防になり、白ワインは有機酸が殺菌作用を持っていることは有名ですが、また一つワインを飲む『口実』が増えたことになります
 
発見した研究者たちは具体的にワインがどのように腎臓に作用するかの過程は分からないそうですが、腎臓疾患と尿に含まれるタンパク質のレベルに相関があることと、被験者の尿に含まれるタンパク質のレベルがワインによって下がったことから今回の発見に至りました
 
また、白ワインよりも赤ワインの方が効果があるそうです
 
ただし、飲み過ぎないことです
二日に一度、グラス一杯弱
 
何事も腹八分目
 
最近は酸化しない紙パック型もありますしね
 
参考文献
Mailonline
aqsh.net

最古のロゼ

「星を飲んでいるようだ」

ドンペリニヨンが泡のあるワインをこの様に形容したのは彼が世界で初めてシャンパーニュを完成させた1668年ごろのことだ
 
でも、これは白のシャンパーニュの話である
 
じゃあロゼは?
 
この度、フランスの歴史家が一枚の勘定書を発見したことによりロゼシャンパーニュの歴史が紐解かれた
これまでロゼのシャンパーニュはヴーヴ・クリコが世界に先駆けて1775年にリリースしたのが始まりだと思われてきた
今回発見された文書に記載されていた日付けは今から250年前の1764年3月14日付けのドキュメントだったのです
見つかったのはヴーヴクリコでも、ドンペリニヨンでもないが、同じグループ会社であるLVMH傘下のルイナールでした
 
ルイナールはドンペリニヨンと同様にベネディクト派の高僧が1729年創業した世界最古のシャンパーニュメゾンです
彼はヨーロッパ各地を旅する中で泡が出るワインの将来性に着目した先見性のある人物です
そんな彼がロゼのシャンパーニュを発売したことはなんら不思議なことではありません
 
「ロゼ」と言いましたが、当時はまだそんな言葉はなくサーモンピンクのこのワインのことを「Oeil de perdrix(山ウズラの目)」と呼んでいました。
その後、rozetとなり、現在のroseと変化してきました
 
今回発見された勘定書には日付入りで山ウズラの目を120本と記載されていたのです
 
当時はまだシャンパーニュシャルドネが使われておらず、現在ではほとんど知られていないような品種のブドウを使用したようです
 
お味の方も全く別ものでしょうし、飲んでみたいですね
 
今回の発見に際して、 ‘最古と’ 思われていたヴーヴ・クリコの関係者がコメントを出しています
『マダムクリコにはシャンパーニュに赤ワインを混ぜるという先見の明があったんだ』と
 
こうも付け加えています
『ルイナールには良いニュースだね、でもこれはヴーヴ・クリコにとってもいい事だよ、ロゼは200年以上需要があったってことだろ、これは一時の流行じゃないよ、不変のマーケットってことだからね』
 
 
 
 
参考文献
wine spectator
MHD ルイナール ブランドサイト

マセトのワイナリー設立へ

スーパータスカンで有名なオルネライアを作るフレスコバルディ社がマセト(マセット)のためのワイナリーを設立することを発表しました

 
マセトはイタリアの中でもトップクラスの人気ワインで3〜4万円で販売されています。ワイナリーの名を冠したオルネライアが2万弱で取引されていることからしても、このマセトの実力、人気ぶりがわかります
 
そして、オルネライアとの違いを明らかにするためにテヌータ・デル・オルネライアから独立した形でリリースするようです
 
マセトは元々特異な存在でカベルネを使うボルドースタイルが定番の中でメルロ単体で仕上げています。また、販売方法も2009年からイタリアワインとしては初めてボルドーのプリムールであるプレース・ド・ボルドーで取り扱われています
 
これはボルドー右岸を意識した戦略で、上手く流れを作っているといえます。おそらくペトリュスですら射程に入れていることでしょう
 
今回のマセットのためのワイナリー設立は得意のマーケティングとブランディングの上手さからしてきっと成功するだろう
 
10年ほど前は1万円ほどで取引されていたマセトが今や4万円台ですから
 
気軽にこのワイナリーの飲むならレヴォルテで十分うまいけどね 
参考文献
decanter
the wine cellar
SIP Wine Blog 
 

ビオにこだわるか、それとも牢屋行きか

ブルゴーニュの有機栽培ワインメーカーが農薬を使わないことでフランス地方当局に訴えられています。

 
ボーヌに10ヘクタールの畑をもつエマニュエル・ジブロ氏はブルゴーニュに広がるリーフホッピングと呼ばれるバクテリアを介したフラベセンスドレーというブドウの成長に影響を与える病気を食い止めるために化学農薬を散布するようボーヌの地方当局から命令されたが従いませんでした
 
そのためジブロ氏は6ヶ月の禁固と3万ユーロの罰金に直面しています
 
しかし、彼は親から譲り受けた無農薬の畑を守るために現在も戦っている
 
 
 
 
彼のfacebookに信念が載ってる
 
“Using pesticides kills all insects, including bees, and threatens the balance of an already-fragile ecosystem”
殺虫剤を使うことは蜂を含む、すべての昆虫を殺すことだ。それはすでにもろい環境の調和を脅かすことになる
 
 
“It destroys nature, destroys life and damages people  in turn”
自然を壊し、生命を断てば結局は人間に影響がくることになる
 
しかしながら、この病気に罹ると若いブドウの木は死に、成熟した木は大きく生産量を落とす。そしてブルゴーニュは非常に狭く、畝のすぐ隣は別の所有者である。彼が農薬を散布しなければ、周囲の作り手に大きなリスクを負わせることになるのだ
その為、地方当局は農薬散布の法律を作ったという経緯がある
 
注目の判決は今月、4月7日13時30分である
 
参考文献
Jim’s Loire
Organic wine Journal
France 24 international news

トカイ・アスー・3-4プットニョシュを廃止に

世界三大貴腐ワインのひとつ、トカイ・アスーの生産基準が厳しくなり糖分含有量で区分されているプットニョシュの中でも糖分の少ない60g/ℓの3プットニョシュと90g/ℓの4プットニュシュが実質廃止されることとなった。

 

これは適度に熟成していないぶどうを使って作られる粗悪なアスーを規制して、トカイ・アス
ーの価値を高めるためである。
 
 
しかしながら、すべてのハンガリーの生産者がこの廃止に賛成している訳ではない。
糖度の高めたワインを作るためにはぶどう自体が水分量を減らさないといけない為、生産量を落とさなければならない。また、生産量が少ないことは価格が高いことを意味する。
安いワインがなくなり、購入の回転率が落ちれば生産者にとってはキャッシュフローが悪くなり、経営が厳しくなるのだ。
 
 
世界的な嗜好の変化もある。こってりとした料理から、さっぱりとした料理にシフトしてる中でどっしりとしたトカイが好まれるかと言われると疑問でもある。
もともと多量に飲まれるワインではなく、サラッと飲まれるワインである。
 
decanter紙にもSome people prefer lighter styled Tokajiとある
今回廃止された3−4プットニョシュは、生産者の経営を圧迫し結果的にそれがトカイアスの生産性を落とすことになるだろう。
 
参考文献
ソムリエ協会教本
decanter
 
 
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